収束どころか、益々感染拡大を続けている新型コロナウイルス。1日の新規感染者数が数千人となり、政府からは首都圏の1都3県を対象にした緊急事態宣言が出されました。
しかし、飲食店を中心にいわゆるサービス業ではもうこれ以上営業時間を短縮して自粛するようなことをしていたら立ちゆかないといった声もあります。
そのため、営業を続けるうえで、今まで導入してこなかった個人経営のお店や小規模店舗でもサーマルカメラの導入は必須になってくると思います。
そんなわけで、以前も各社のサーマルカメラソリューションを比較しましたが、今回はすぐにでも導入してその日のうちに使用開始できるようなアイリスオーヤマのハンディタイプのサーマルカメラについてご紹介します。
はじめに
以下について予めご理解、ご了承のうえご参考にしていただき、ご検討いただきますようお願いします。
- 記事内のサービスや機器は、感染症などの罹患者を発見できるサービスや機器ではありません。
- 記事内のサービスや機器にて、体温異常が判明したからといって必ずしもコロナをはじめとした感染症にかかっているというわけではありません。
- 記事内のサービスや機器によって、必ず感染やクラスター発生を防止できるものではありません。
- 実際の体温計測とは異なる場合があります。
- 記事内の製品やサービスは体温を測定する等の医療行為を行う医療機器ではありません。
- サービスや製品の情報はできる限り正確な内容を掲載するように努めておりますが、必ず各企業へお問合せのうえお確かめください。
- 当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
アイリスオーヤマの「ハンディタイプ サーマルカメラ」について
まずは上の動画を見てみてください。
1.5m離れた場所から非接触、1秒以内に計測が可能で、設定温度はユーザー側が決められます。
その設定温度以上でアラート通知となる仕組みです。測定できるのは1回につき1人だけです。
動画を見ればわかる通り、非常にシンプルで誰でも扱えるのがわかると思います。
そのため、こういった機器やITに不慣れな従業員スタッフやアルバイト、パートの方などでも迷うことなく利用できるのでおすすめです。
ちなみにハンディタイプ以外にも「顔認証型」や「ドームカメラ型」も提供されています。
https://www.irisohyama.co.jp/b2b/iot/products/thermal-camera/#
顔認証型タイプは会社の入館時に利用することがメインの利用方法となります。また、ハンディタイプよりも高額です。
ドームカメラ型は公共施設や商業施設などの大きなロビーやエントランスに最適なタイプで、同時に多数人を測定することが可能です。ただこちらも当然ですがハンディタイプよりも高額かつ設定作業や日々の運用管理も必要な場合があり、小規模な店舗では導入と運用のハードルが高いと考えられます。
仕様
項目 | 仕様 |
サーマル解像度 | 160×120 |
計測温度範囲 | 30℃~45℃ |
測定誤差 | ±0.5℃ |
測定スピード | 1.0秒 |
測定距離 | 推奨1.5m |
同時測定可能人数 | 1人 |
電源 | リチウムイオンバッテリー内蔵 |
動作環境温度 | −10℃~+50℃ |
消費電力 | 最大1.2W |
サイズ | 196×117×59mm |
質量 | 0.35kg |
アラート | 画面文字表示 |
周辺機器(別売) | 自立型三脚 |
計測温度範囲も判定誤差も、測定スピードも充分な仕様ですね。
電源はリチウムイオンバッテリー内蔵で、ACアダプタを使って充電するタイプのようです。ちなみに充電しながらでも測定可能です。サイズも大きすぎず小さすぎずで0.35kgならかなり軽いですね。
アラートが画面表示タイプなので、ユーザー側がまず最初に気づくことになるため、必要以上にお客さんなどを驚かせることがなくなるかもしれません。(AI顔認証型のように無人で計測する場合は赤い警告が表示されたり、場合によっては音声によるアラートが出たりと、引っかかると周囲の人にもバレる可能性があるので、お客さんのプライバシーという観点からいくと測定者側が最初に確認できるのは都合がいいと思います。)
補足としては、メモリが内蔵で8GBあります。SDカードにより増やすことも可能。最大では128GBまでサポートされているとのことですが、SDカードは別売り。
ちなみに測定距離は推奨1.5mとなっていますが、2.5mまでは実使用可能のようです。
価格
購入先 | 価格 |
Amazon(三脚付きセット) | ¥199,000 |
楽天 | ¥198,000 |
アイリスプラザ | ¥176,000 |
※価格は執筆時点の税込価格です。必ずご確認のうえご購入ください。
ハンディタイプのサーマルカメラの選び方
ハンディタイプのサーマルカメラは色々ありますが、検討すべきポイントは共通しています。
ここでは価格以外の面で何を基準に選べばよいかをご紹介します。
- 測定速度
場合によっては多くの人を順番に検温しなくてはならない状況になると思います。その際に一人あたり多くの時間が費やされるようでは手間も時間も無駄であり、来店者の不満にも繋がってしまうため、できる限り素早く測定できる機器が望ましいです。少なくとも1秒以内が目安と考えていいと思います。 - バッテリー持続時間
1~2時間で切れてしまうようでは充電の手間も掛かりますし、何より商業施設であれば営業時間中は絶え間なく使用することが前提となるため、なるべく使用できる時間が長い製品を選びましょう。また、測定場所によっては充電アダプターに接続したまま利用出来る方が好まれる場合もあると思いますので、ACアダプターを接続したまま使えるかも確認しましょう。 - 使い勝手
誰でも感覚的にすぐ使い方を理解できるような製品が望ましいと思います。 - サイズ・重量
あまりに大きかったり、重い製品だと一日中使うものなので持ってるだけでも疲れますので、ハンディタイプとはいえ持ち運びが楽なものを選択したほうがいいと思います。 - 屋外利用の可否
サーマルカメラはその仕組みや構造から屋外利用不可のものが結構あります。ハンディタイプの場合は屋外利用可となっているものを選びましょう。ただし、屋外利用が可能な製品でも屋外での検温では正確な測定ができない場合がありますので、自分たちの利用環境を鑑みたうえで検討するようにしましょう。 - メーカー
サーマルカメラも調べてみると同じような製品が様々出てくると思います。後述しますが、日本のメーカー、企業が販売していても中身は海外ブランドだったりします。ですが、よっぽど安価な粗悪品でない限りそこまでメーカーを気にする必要はありません。そもそもハンディタイプのサーマルカメラはあくまで目安として導入するものと考えたほうがいいです。
OEM製品について
ネットでサーマルカメラを色々と調べていると、ほとんど見た目が同じような製品を見かけたことがあると思います。まったくと言っていいほど同じなのに、書かれてるメーカー名が違うとか・・・。
わかる人にはわかると思いますが、いわゆる「OEM製品」が売られてることが多いです。
そして、今回紹介しているアイリスオーヤマのハンディタイプのサーマルカメラですが、断定はできないものの、個人的には「Hikvision (ハイクビジョン) 」のOEM製品ではないかなぁと思っています。
詳細は説明しませんが、Hikvisionは中国に本社がある世界最大規模の防犯カメラ及びレコーダーメーカーです。
中国メーカーと聞くと敬遠されがちですが、正直このハンディタイプのサーマルカメラの利用についてはそこまで過剰反応しなくてもいいかなと思います。特に通信機能があるわけではないですし、価格的にもそこまで高額ではないので。
ただし、自分の会社で導入する際は、「エンティティリスト」(禁輸措置対象リスト)に関することを必ず確認のうえ購入をした方がいいです。
アイリスオーヤマかHikvisionか
Amazonや楽天で見るとわかりますが、Hikvisonとして売られている方が価格はかなり安いです。 ただし、AI顔認証型の製品も購入する場合や、機器の故障などのトラブルが発生した時のことを考えると、サポート体制もあってスムーズなコミュニケーションが取れるアイリスオーヤマで購入することをおすすめします。ハンディタイプは必ず検温作業をする人員が必要なため、完全に無人化する場合は、AI顔認証型や商業施設であればドームカメラ型などの同時に複数人を測定できるタイプを検討しましょう。
ただ、どのタイプも結局はアラートが発生した際は人による対応が必ず発生しますので、目的に沿ったタイプを複数組み合わせることが一番最適かもしれません。