【コロナ対策】検温サーマルカメラ 6社の比較とまとめ

ビジネス系Howto

現在、コロナ対策として企業や飲食店などの店舗、イベント会場などにおいて、サーマルカメラによる検温機器の導入が急速に広がっています。

一口にサーマルカメラと言っても様々な企業が提供しており、製品も無数に存在するため、自社で導入する際の比較や検討に手間が掛かっている状況だと思います。

今回は、そんなサーマルカメラ検温ソリューションの導入を検討中の方や、これから検討を開始したいという方向けにいくつかの企業からピックアップしたものをまとめてみました。

アイリスオーヤマのサーマルカメラについての記事はこちら

はじめに

以下について予めご理解、ご了承のうえご参考にしていただき、ご検討いただきますようお願いします。

  • 記事内のサービスや機器は、感染症などの罹患者を発見できるサービスや機器ではありません。
  • 記事内のサービスや機器にて、体温異常が判明したからといって必ずしもコロナをはじめとした感染症にかかっているというわけではありません。
  • 記事内のサービスや機器によって、必ず感染やクラスター発生を防止できるものではありません。
  • 実際の体温計測とは異なる場合があります。
  • 記事内のサービスは体温を測定する等の医療行為を行う医療機器ではありません。
  • サービスや製品の情報はできる限り正確な内容を掲載するように努めておりますが、必ず各企業へお問合せのうえお確かめください。
  • 当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

サーマルカメラとは

サーマルカメラとは赤外線を使用して温度測定ができるカメラです。
特に現在コロナ対策として利用されているものは、非接触で体表面の温度を計測でき、また人の手を介さず無人で計測・判定ができるため、他者との接触を避けることもでき、3密を回避する意味でも飲食店などの店舗やイベント会場、各種商業施設、企業の入館や受付に設置するといった利用が進んでいます。

サーマルカメラを選ぶポイントは?

現在、多くの企業がサーマルカメラを提供しており、その機能や特徴は様々です。費用の安さだけで選ぶのではなく、自社の利用目的や運用方法に適した製品やサービスを導入することが望ましいため、自社が利用するうえでどういった点を重視するのか、運用にあたってはどのような課題が発生しうるのかを想定したうえで比較検討が必要です。

特に選定のポイントとなるのは以下の通りです。

  • カメラタイプ:タブレット型、スタンド型、固定カメラ型など様々なタイプがあります。


    大きさ:どこに何台設置するかによって、設置可能なサイズが変わります。小型のものから大型のディスプレイ型など形状も様々です。

  • 検温人数:1名ずつ測定するタイプや一度に多人数測定できるものがあります。

  • 検温速度:判定までのスピードです。1名ずつの場合、検温結果が出るまでに時間が掛かるものでは運用が大変かもしれません。特にイベント会場などでは、入場がスムーズでないと密な状態を発生させることにもなるため、検温速度はできるだけ速い方がものがいいでしょう。

  • 顔認証:人物特定ができるか、マスクをしたまま検温可能かマスクの着用有無を検知できるか等。

  • 導入の容易さ:すぐにでも対策したい場合は導入までのリードタイムが短い方がいいでしょう。また、工事などが不要で設置してすぐに利用開始できるものや持ち運びできるものが理想的かもしれません。

  • データ管理:検温データや画像データなど、後で追跡可能か?また、PCやクラウドと連携したものか、内臓のSDカードへ保存するだけなのか等を考慮する必要があります。また、できれば実際の管理プラットフォームの使い勝手についても十分に把握しておく方がいいでしょう。


    ネットワーク:ネットワーク機能はあるか?もしくはスタンドアロン型か?ネットワーク機能や機器は別途用意が必要だったり、費用が掛かる場合もあるため確認が必要。

  • 警告方法:音声、または警告を画像に表示するなど、どのような警告機能があるか?音声は日本語、英語のどちらか?、オンオフは可能か?

上記以外にも検温制度についてもしっかりと把握しておきたいポイントです。また、機器を立ち上げてから数十分は準備時間が必要になるといった場合もあるため、運用上注意が必要です。

株式会社NTTPCコミュニケーションズ サーマルカメラソリューション

NTTPCコミュニケーションズでは、2つのタイプのサーマルカメラソリューションが提供されています。

  • AIサーマルクラウド
  • サーマルチェッククラウド

AIサーマルクラウドは多人数タイプのもので、主にロビーや通路上を歩く人々の体温測定に適したソリューションとなっており、カメラ画像から自動測定、通過するだけで計測ができます。また、最大で20名の計測が可能です。
警告の方法として、その場で音声により直接警告を出すなど、「双方向での音声コミュニケーション」が可能。そのほかに管理者へメールで通知する機能も備わっている。

サーマルチェッククラウドは受付や入室の際に1名ずつチェックする運用に向いているタイプ。どちらもマスクを着用した状態でも測定が可能です。

どちらのタイプも最大の特徴は、モバイルや有線による通信で、クラウド上で管理が可能な点。また、VPN接続を利用しているため、測定データを安全に管理できる点もメリットとなっている。なお、他社サービスでは通信に関する通信料や各種機器の価格が別途必要となることが少なくないが、本サービスでは、ルーターや通信SIMがパッケージとして提供されるため、安心して導入ができる。

NTTグループのサービスという信頼性に加え、その場で現場との双方向コミュニケーションが取れる機能の高さや、センシティブなデータの取扱いにも配慮したセキュリティ面など、運用側も利用者側にとっても安心、安全な製品となっている。

サービス名AIサーマルクラウドサーマルチェッククラウド
検温人数最大20名1名ずつ
測定距離最大5m0.3m
検温速度要お問合せ要お問合せ
警告機能音声、メール通知音声、メール通知
マスク着用時の検温
マスク着用有無の判定要お問合せ要お問合せ
顔認証AI顔検知搭載AI顔検知搭載
管理方法クラウドクラウド
ネットワークVPN接続 モバイル対応(有線可)VPN接続 モバイル対応(有線可)
初期費用2,500,000円(税別)800,000円 (税別)
月額費用7,880円(税別)6,980円(税別)

ソフトバンク株式会社 SenseThunder

ソフトバンクでは、非接触で推定温度とマスクの着用有無を0.5秒で検知できるAI温度検知ソリューションの「SenseThunder」を提供しています。
SenseThunderにはそれぞれ下記のタイプがあります。

  • SenseThunder-E
  • SenseThunder-Mini

このSenseThunderは、ルミネとニュウマンの全館へ納入していたり、東京ドームの主要ゲートへも導入しているソリューションのため、既に知名度の高い施設への導入事例があるというのは、検討するうえでも安心感のある実績と言えると思います。

体表面温度の異常やマスク未着用の場合は音声、またはブザーにて警告。
音声とブザーの音量、ON/OFFは調整が可能だが、音声は英語となっております。
この音声が英語という点は導入側によってはネックに感じられるかもしれませんが、ブザーや画面表示を見れば利用者側は十分に自分の結果を認識できると思います。

管理プラットフォームはオンプレミスまたはクラウドから選択が可能。
クラウド版管理プラットフォーム「SenseLink Cloud」は、ソフトウェアのインストール不要で直ぐにモニタリングが可能であったり、セキュリティ面でも安全に情報管理がを実現できるとのこと。(※SenseLink Cloudは最低1年間のサブスクリプション契約が必要。)

費用についてはWEB上での記載がないため、該当ページよりお問合せください。

サービス名SenseThunder-ESenseThunder-mini
検温人数1名ずつ1名ずつ
測定距離0.5~1.5m0.5~1.2m
検温速度0.5秒0.5秒
警告機能音声またはブザー音声またはブザー
マスク着用時の検温
マスク着用有無の判定要お問合せ要お問合せ
顔認証AI顔認証AI顔認証
管理方法クラウド/オンプレミスクラウド/オンプレミス
ネットワーク要お問合せ要お問合せ
初期費用要お問合せ要お問合せ
月額費用要お問合せ要お問合せ

KDDI IoTクラウドStandard サーマルカメラパッケージ

KDDIからもサーマルカメラパッケージが提供されています。
ただし、残念ながらこちらのページだけでは、サービスの全容がわかりづらいため、もし導入を検討される方はお問合せ必須と言えます。

特徴としては

  • 約0.3秒で人物の体表面温度を計測する
  • マスク着用有無を判定
  • 感染拡大防止のため、顔認証から個人特定、感染経路の調査が可能

0.3秒は他社のソリューションと比べてもかなり速いと思われます。またマスクの着用有無の判定も可能なため、多くの人が集まる入場口などに適していると考えられます。また、あらかじめ人物登録をすることにより、顔認証から個人を特定し、過去のデータから感染経路を調査することが可能とのこと。なお、計測した温度や属性情報はテキストデータとしてクラウド上に保存される。

費用としては、「クラウド料金」と「端末料金」から構成されています。

クラウド料金は以下の通り。

クラウド利用料費用備考
初期費用(契約事務手数料)10,000円
月額費用(機器接続料)2,000円/台クラウドに保存されるデータは体温とマスク着用状態の有無となり、
顔認証データと年齢、性別データを保存希望の場合は別途費用が発生する。
月額費用(サービスID)5,000円/IDクラウド画面にログインするID

端末料金は以下の通り。

端末料金モデル費用備考
月額モデル20,000円/台・月契約年数は1年となり、途中解約時には別途違約金が発生します。
(以降1年ごと更新)
購入モデル298,000円/台
サービス名KDDI IoTクラウドStandard サーマルカメラパッケージ
検温人数要お問合せ
測定距離要お問合せ
検温速度0.3秒
警告機能要お問合せ
マスク着用時の検温
マスク着用有無の判定
顔認証顔認証機能あり
管理方法クラウド
ネットワークWi-Fi
初期費用上記の表またはこちらでご確認ください。
月額費用上記の表またはこちらでご確認ください。

株式会社フューチャースタンダード AI検温パスポート

フューチャースタンダードからは少しユニークな感染防止システムが提供されています。それがタイトルにもある「AI検温パスポート」です。
最大の特徴は検温結果をプリントアウトして利用者に提供でき、飲食店や商業施設における、検温作業の省力化が可能な点。

具体的なイメージはこちらの漫画を見てもらえると分かりやすいと思います。簡単に言うと、入場したあとにAI検温パスポートに顔をかざすと、自分の判定結果がプリントアウトされ、それを受付等に持っていき確認をしてもらうという流れです。プリントアウトされるものはちょうどコンビニなどでもらう細長いレシートのようなもので、その紙には自分の顔も印刷されています。ちなみに、検温から印刷までは検温モードの場合で印刷まで1~2秒程度のため、充分スムーズなチェックが行えそうです。

例えば、現在は人員を配置して検温作業を実施している施設や企業では、検温作業の無人化が可能となりますし、来訪者に自ら測定をしてもらい結果を持ってきてもらえれば、他者と接触する機会も大幅に削減することが期待できると思います。

もちろん、測定内容に異常があった場合は、音声と画面表示により警告が出され、音声は日本語となっているため、子供から高齢者まで問題なく警告を認識できる機能になっています。

AI検温パスポートには体温測定と結果出力のみの標準モデルと、自動バックアップや遠隔サポート機能が追加されたクラウドモデルの2種類が展開されている。
セット内容としてサーマルカメラ、小型PC、プリンターが含まれています。クラウドモデルの場合は、これに加えてM2Mルータ(SIM付)が追加される。

サービス名AI検温パスポート(NWタイプ)AI検温パスポート(単独タイプ)
検温人数1名ずつ1名ずつ
測定距離要お問合せ要お問合せ
検温速度検温モードの場合、印刷まで1~2秒検温モードの場合、印刷まで1~2秒
警告機能音声、画面表示音声またはブザー
マスク着用時の検温要お問合せ要お問合せ
マスク着用有無の判定要お問合せ要お問合せ
顔認証顔認証AI顔認証AI
管理方法クラウド
ネットワークLTE
初期費用450,000円(税別)450,000円(税別)
月額費用10,000円(税別)

日興電気通信株式会社 体表面温度検知タブレット(検温システム)

これまで紹介してきたサーマルカメラに比べてより簡単に導入ができそうな製品が、日興電気通信株式会社の体表面温度検知タブレットです。

電源を投入するだけで稼働するスタンドアロン型のもので、測定情報はカメラ内部のストレージに保存されるため、ネットワーク不要で運用ができます。
比較的小規模な企業の受付や飲食店などで重宝される手軽さのソリューションと言えそうです。

手軽とはいえ、しっかりとマスク未着用警告や顔認証機能を備えており、スタンドアロン型であってもまったく引けを取りません。
その他の詳細な仕様についてはこちらのカタログにてご確認ください。

サービス名体表面温度検知タブレット(検温システム)
検温人数1名ずつ
測定距離0.5-1.0m(最適距離0.75m)
検温速度約1.5秒
警告機能画面表示(音声警告については要お問合せ)
マスク着用時の検温
マスク着用有無の判定
顔認証AI顔認証
管理方法要お問合せ
ネットワーク要お問合せ
初期費用要お問合せ
月額費用要お問合せ

株式会社正興サービス&エンジニアリング 顔認証サーマルデバイス

正興サービス&エンジニアリングでは、顔認証サーマルデバイスをはじめ、大人数が通る場所や通路にて検温が可能なドーム型やボックス型のものや、一体型のオールインワンタイプ、ハンディタイプや、広告を流すことが可能なサイネージ型など、多岐にわたる製品を展開しています。

顔認証サーマルデバイスだけでも、「大画面モデル」「スタンダードモデル」「ライドモデル」と、3種類が存在しています。

AI顔認証はもちろん、マスクしたままでも認証、検温が可能。その他には登録ユーザーであってもマスク未着用では入場できないようにするなど、入館管理なども行える製品になっています。それぞれのタイプ別の違いはこちらのページにてご確認ください。

以上のとおり、正興サービス&エンジニアリングでは、顔認証サーマルデバイスの他にも様々なタイプを取り扱っているため、ハンディタイプもタブレット型も必要としているような場合は1社でまとめて調達できるためオススメです。

サービス名顔認証サーマルデバイス
検温人数1名ずつ
測定距離0.3 ~ 2.0 m(ライトモデルは0.3 ~ 1.8 m)
検温速度顔を検知してから1秒以内に結果表示
警告機能音声や画面表示
マスク着用時の検温
マスク着用有無の判定
顔認証AI顔認証
管理方法要お問合せ
ネットワーク要お問合せ
初期費用要お問合せ
月額費用要お問合せ

サーマルカメラソリューション 各社の主要機能のまとめ

企業名株式会社NTTPCコミュニケーションズソフトバンク株式会社KDDI株式会社株式会社フューチャースタンダード日興電気通信株式会社株式会社正興サービス&エンジニアリング
サービス名AIサーマルクラウドサーマルチェッククラウドSenseThunder-ESenseThunder-miniKDDI IoTクラウドStandard サーマルカメラパッケージAI検温パスポート(NWタイプ)AI検温パスポート(単独タイプ)体表面温度検知タブレット(検温システム)顔認証サーマルデバイス
検温人数最大20名1名ずつ1名ずつ1名ずつ要お問合せ1名ずつ1名ずつ1名ずつ1名ずつ
測定距離最大5m0.3m0.5~1.5m0.5~1.2m要お問合せ要お問合せ要お問合せ0.5-1.0m(最適距離0.75m)0.3 ~ 2.0 m(ライトモデルは0.3 ~ 1.8 m)
検温速度要お問合せ要お問合せ0.5秒0.5秒0.3秒要お問合せ要お問合せ約1.5秒顔を検知してから1秒以内に結果表示
警告機能音声、管理者へメール通知音声、管理者へメール通知音声またはブザー音声またはブザー詳細不明音声、画面表示音声、画面表示画面表示(音声警告については詳細不明)音声や画面表示
マスク着用時の検温要お問合せ要お問合せ
マスク着用有無の判定要お問合せ要お問合せ要お問合せ要お問合せ要お問合せ要お問合せ
顔認証AI顔検知搭載AI顔検知搭載AI顔認証AI顔認証顔認証機能あり顔認証AI顔認証AIAI顔認証AI顔認証
管理方法クラウドクラウドクラウド/オンプレミスクラウド/オンプレミスクラウドクラウド要お問合せ要お問合せ
ネットワークVPN接続 モバイル対応(有線可)VPN接続 モバイル対応(有線可)要お問合せ要お問合せWi-FiLTE要お問合せ要お問合せ
初期費用2,500,000円(税別)800,000円 (税別)要お問合せ要お問合せ上記の表またはこちらでご確認ください。450,000円(税別)450,000円(税別)要お問合せ要お問合せ
月額費用7,880円(税別)6,980円(税別)要お問合せ要お問合せ上記の表またはこちらでご確認ください。10,000円(税別)要お問合せ要お問合せ

※アイリスオーヤマのサーマルカメラについてはこちら

いかがだったでしょうか?今回は6社それぞれのサーマルカメラ関連ソリューションについてまとめてみましたが、これ以外にも様々な製品が存在します。コロナ対策が求められるようになって以降にサーマルカメラ製品は多様化しておりますので、他の製品も含めて、最適なものを選定するご参考になればと思います。

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